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道路

建築基準法42条1項5号と建築基準法上道路ではないとされる道路2つに接する土地建物の評価が有りました。

建築基準法は建築物の設計や建築に関する法律です。道路に関連する規定も含まれており、道路と規定されるものの内、42条1項5号に記載されるものに該当する道路です。

大阪市では土地を建築物の敷地として利用するため、建築基準法令等で定める基準に適合する道路で、これを築造しようとする者が特定行政庁からその位置の指定を受けたもの、

いわゆる位置指定道路とされています。

主に開発し、建築する為の接道義務を満たすために作られる道路であり、また建築基準法に適合する道路ですので建築に際しては特に問題のない道路だと思います。

また大阪市では令和5年4月から、法第42条第1項第5号による位置指定道路に関する図面(昭和26年度から平成29年度まで指定したもの)を『マップナビおおさか』で見ることができます!

マップナビおおさかの道路選択→指定道路図→42条1項5号の色の道路をクリック→詳細情報のファイリングをクリックすると位置指定日、指定番号に道路平面図(幅員や道路断面図とか)がわかります。

もう一つの建築基準法の道路ではないものについては建築基準法の接道義務を満たさない道路であるため、仮にこの道路だけしか土地が接道していないと建築できない土地ですので十分注意してください。

最有効になってない?

建物は建築基準法で敷地面積に対して〇%までの面積の建物を建てることができます。

商業地系の地域なら300%、400%とか。市役所で確認できます。

収益用不動産なら容積率いっぱいまで建築されていればその分貸出スペースが増えます。

逆に容積率が少ない、建物面積が少ない場合それだけ収益がすくなくなり、最も有効な状態になってない不動産といえます。

昔は収益性を考慮しない用途で建てられた建物だった、環境が変わった、とか。

収益性が低いと不動産の価値に影響を及ぼす可能性があります。

建物大き過ぎると思ったら。

売却前の建物を鑑定する際に、どうも建物が大き過ぎる気がする。

建物は建築基準法で敷地面積に対して〇%までの面積の建物を建てることができます。

住宅系の地域なら200%とか。市役所で確認できます。

計算すると容積率超えてたので違法建築ではないか次に市役所で建築計画概要書を確認します。

建築計画概要書は建築物の所有者や設計者が建築行政機関に提出し、審査の結果、計画が適合していると認められると、建築許可が交付されます。

つまり建築計画時には適法が建物でした、ということ。しかし多いのが建築後、工事完了届をだしておらず、検査済証番号がない状態。大阪市は受付日にバツと書かれてます。

工事完了届は建築物の建設工事が完了した後に建築行政機関に提出される書類で、建築基準法や地方自治体の条例に基づいて、建築物の安全性や法令遵守が確認されることを目的としてます。

したがって、ちゃんと計画どおり建築されてるかも確認する必要があります。

分筆と間口

土地をこれから分筆するけど分筆後の鑑定評価はできるのか、図面も作ってる、と聞かれました。

できますけどどんな土地に分けるのか図面を見せてください、とお願いしました。

図面を見ると大きめの一般的な戸建住宅地ですが道路に面している間口を3つに分けるみたいで、各分筆後の土地の間口は当然狭くなり、袋地状で間口が2m未満に見える土地もあるようでした。

もちろん間口2m未満の土地は建物が建築できませんし、鑑定評価額も下がってしまいますよ、という話をさせていただき分筆図面は書き直すという形になりました。

仮に今の建物の間口を2m未満にしてしまうと既存不適格な建物になってしまいますし、とにかく間口は2m未満にしない、ということに注意してください。

建物のみの鑑定評価


ある時建物のみを鑑定してほしい、という相談がありました。


通常、建物は土地の立地環境があっての建物ですから、土地と建物全部を評価しその内訳として建物の価格を算出します。


ですので実際は通常の土地と建物を評価する形と何ら変わらずなんですがなにせ「建物だけ」という言い回しから早く、安く、簡単に鑑定できるものと思って相談されることもありますが残念ながらそうではないのです。

賃料の参考に鑑定書を使う場合

今の家賃が安すぎる(高すぎる)から賃料鑑定してほしい、それで交渉するから、という相談を受けることがあります。
鑑定書では適正な賃料を出して提出するのですが、特に弁護士さんに多いのですが交渉するのにつかうから何倍にして、とか半額で、とか鑑定の賃料を指定されるときがあります。
申し訳ないのですがうちは適正な価格、賃料の鑑定書しか出しません。
まあ何倍の賃料を書かせておけば交渉に有利なのはわかりますが鑑定書はそういうものじゃないので。

隣地を売買するときの価格

隣地を売買するとき、鑑定評価では限定価格となることがあります。

不動産鑑定評価基準によると
限定価格とは、市場性を有する不動産について、不動産と取得する他の不動産との併合又は不動産の一部を取得する際の分割等に基づき正常価格と同一の市場概念の下において形成されるであろう市場価値と乖離することにより、市場が相対的に限定される場合における取得部分の当該市場限定に基づく市場価値を適正に表示する価格をいう。

限定価格を求める場合を例示すれば次のとおりである

1.借地権者が底地の併合を目的とする売買に関連する場合
2.隣接不動産の併合を目的とする売買に関連する場合
3.経済合理性に反する不動産の分割を前提とする売買に関連する場合

とあります。

限定価格は特定の当事者間においてのみ経済合理性が認められる価格です。

併合を目的とする売買においても併合による増分価値が発生しない場合においては第三者間取引の場合とその取引価格に差異が見られないので限定価格とはなりません。

また併合により生じる増分価値は併合される両者が寄与して表示させたものであるので、両者に適正に配分すべきです。


よくある隣接不動産の併合の例として、併合したら間口、奥行きがとれて画地が良くなる場合、併合により無道路地が道路に接面することになる場合、狭小地、不整形地が併合される場合などです。

隣接地と併合することにより両者の土地の価値は上がりますから売買のときはまずお隣に声をかけろ、と言われたことがあります。そのほうが買手を探し回るより効率いいですしね。

またお隣同士の売買では不動産の仲介業者を通さない取引もみられますが、併合することによる増分価値を適切に反映させて売買価格をきめるのは難しいと思いますので鑑定価格を参考にした交渉をお勧めします。

鑑定価格をお互いの基準にして、どうしても隣地がほしいので少し高くなるのは仕方ないかとか交渉の目安にしてください。

山林価格相談

珍しく山林の価格相談がありました。
山林評価の得意な不動産鑑定士の先生に教えていただいた知見も合わせて山林の価格は宅地とどう違うのか記録しておくと。

林地地域は林業生産活動のうち、木竹の生育に供されることが自然的、社会的、経済的及び行政的観点から合理的と判断される地域をいいます。

なにより対象となる山林をちゃんと、慎重に特定することが鑑定評価を行う上でまず大事になります。

なぜなら依頼者、所有者からちゃんとこの山!ここからここまで!って言えないことが多いんですよね。ちゃんと山に詳しい人に出てきてもらうことです。

ちゃんと場所がわかったら次に大事なのは宅地になる可能性を調べること。

開発できる山林とできない山林では価格が段違いですから。

あとは木材搬出の難易、傾斜の方向(杉、檜は北向きが良いそうです)が価格に影響してきます。

宅地とはだいぶ違いますよね。

原則鑑定書で。

先日は訴訟用の不動産評価の不動産評価が相談がありました。

簡単な評価の要望で。ということは簡便な評価をする調査報告書の作成を考えますが。。

裁判所や税務署(関連会社間売買など)の評価は原則鑑定書の作成でお願いしてます。

調査報告書は後日鑑定書を作成する場合には価格が変動する可能性がありますから、

利用者の判断に大きな影響を与える場合にはなじまないからです。

何卒よろしくお願いいたします!

高低差は現地確認

高低差があると不動産の価値が下がることが多いです。

道路と敷地の高低差、隣地との高低差、敷地内の高低差など。

高低差は地図上ではわかりにくいので注意が必要です。

こないだ相談受けた土地を見に行くと、地図上ではなんら変哲もない土地でしたが、

現地へ行くと高低差がかなりあり、道路利用が困難な土地でありました。

このような土地は価値が下がりますので注意が必要です。