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隣地を売買するときの価格

隣地を売買するとき、鑑定評価では限定価格となることがあります。

不動産鑑定評価基準によると
限定価格とは、市場性を有する不動産について、不動産と取得する他の不動産との併合又は不動産の一部を取得する際の分割等に基づき正常価格と同一の市場概念の下において形成されるであろう市場価値と乖離することにより、市場が相対的に限定される場合における取得部分の当該市場限定に基づく市場価値を適正に表示する価格をいう。

限定価格を求める場合を例示すれば次のとおりである

1.借地権者が底地の併合を目的とする売買に関連する場合
2.隣接不動産の併合を目的とする売買に関連する場合
3.経済合理性に反する不動産の分割を前提とする売買に関連する場合

とあります。

限定価格は特定の当事者間においてのみ経済合理性が認められる価格です。

併合を目的とする売買においても併合による増分価値が発生しない場合においては第三者間取引の場合とその取引価格に差異が見られないので限定価格とはなりません。

また併合により生じる増分価値は併合される両者が寄与して表示させたものであるので、両者に適正に配分すべきです。


よくある隣接不動産の併合の例として、併合したら間口、奥行きがとれて画地が良くなる場合、併合により無道路地が道路に接面することになる場合、狭小地、不整形地が併合される場合などです。

隣接地と併合することにより両者の土地の価値は上がりますから売買のときはまずお隣に声をかけろ、と言われたことがあります。そのほうが買手を探し回るより効率いいですしね。

またお隣同士の売買では不動産の仲介業者を通さない取引もみられますが、併合することによる増分価値を適切に反映させて売買価格をきめるのは難しいと思いますので鑑定価格を参考にした交渉をお勧めします。

鑑定価格をお互いの基準にして、どうしても隣地がほしいので少し高くなるのは仕方ないかとか交渉の目安にしてください。